検定試験テキスト -農産物取引の基礎知識-

目次へ戻る

第2章 小豆の基礎知識

第1節 小豆の商品特性

  1. 小豆の概要

    小豆は「アズキ」または「ショウズ」と呼ばれ、縄文時代の遺跡からも種子が発見されるなど古くから食用に供されてきた。また、大豆と同様に「古事記」に出てくる「五穀」の一つとして、日本人の生活と密接に結びついており、小豆の赤い色には神秘的な力が宿ると信じられていたことにより、伝統的に神事に供され、邪気を払う厄除け・魔除けに用いられてきた。
    小豆は餡子の原料というイメージが強い商品であるが、一般庶民の食物として普及するようになったのは、砂糖が普及するようになった江戸時代以降といわれている。それ以降、その独特の風味が愛され、羊羹などの和菓子の原料として用いられている。

  2. 小豆の種類及び品種

    小豆は、「普通小豆」、「大納言小豆」、「その他の小豆」の3種類に分類される。それぞれの種類の特徴及び用途は以下のとおり。

    表1 小豆の種類

    種類 特徴 用途
    普通小豆 市場に出回る標準品の小豆 製餡、和菓子、菓子パン、しるこ、ゆで小豆、赤飯
    大納言小豆 大粒で煮ても皮が破れにくい特徴を持つ特定の品種群で価格的にも高級な小豆 甘納豆、粒餡の原料
    その他の小豆 白小豆や黒小豆などがあるが生産量は限られており市場ではほとんど出回らない 特殊な餡の原料

    (出所)雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会

    小豆は豆類の中では環境の影響を受けやすい作物であり、小豆の品種には、積算温度が一定に達すると開花が始まる「感温性」が高い品種と、日の長さが一定以下に短くなってから開花が始まる「(短日)感光性」の高い品種がある。小豆は日本全国で栽培されているが、北海道や東北北部で栽培されている品種は感温性が高く、本州で栽培されている品種は短日感光性が高い。
    小豆は、品質、収量、天候、土質などへの適応のために品種改良が加えられてきた。普通小豆の主な品種と、その特徴は以下のとおり。

    表2 小豆の主な品種

    品種名 特徴
    サホロショウズ 早生、良質、土壌病害抵抗性なし
    きたろまん 早生、耐冷性、多収、落葉病・萎凋病抵抗性あり
    エリモショウズ 中生、耐冷性、多収、良質、土壌病害抵抗性なし
    きたのおとめ 中生、耐冷性、良質、落葉病・萎凋病抵抗性あり
    しゅまり 中生、良質、落葉病・萎凋病・茎疫病抵抗性あり
    きたあすか 中生、多収、落葉病・茎疫病抵抗性あり

    (出所)雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会

    日本に輸入されている中国産小豆の出回り量は、天津小豆や東北小豆が多いが、その品種には、天津紅小豆、唐山紅小豆、宝清紅小豆など多数存在する。

  3. 小豆の生育

    小豆の生育期間は5月下旬から9月下旬までの約4ヶ月であり、その生育過程は、「播種期」、「出芽期」、「生長期」、「開花期」、「莢伸張期」、「成熟期」に分けられる。

    図1 小豆の生育ステージ

    (出所)ホクレン農業協同組合連合会(http://www.mame.hokuren.or.jp/azuki/index01.html

第2節 小豆の需給

  1. 小豆の需給概観

    小豆の年間供給量(期首在庫、国産出回り、輸入量の合計)は、年ごとのバラツキが大きく、H15豆年度(2003年度)からH24豆年度(2012年度)の10年間では、10万8300トンから13万2200トンの間で推移している。供給量の内訳は、在庫が2万2000トンから4万4600トン、国内出回り量が5万900トンから8万800トン、輸入量が1万9100トンから3万5400トンとなっている。消費量はH15豆年度(2003年度)の9万6600トンからH24豆年度(2012年度)の8万800トンと減少傾向にある。国内需要量で比較すると、小豆の市場規模は食品用大豆(国内需要量約95万トン)の約12%に相当する。

    表3 小豆需給実績(豆年度:前年10月~9月、単位:トン)

    豆年度 期初在庫 国産出回り 輸入量 供給計 消費量 輸出量 期末在庫 需要計
    H15(2003) 30,700 56,800 31,100 118,600 96,600 0 22,000 118,600
    H16(2004) 22,000 50,900 35,400 108,300 85,100 0 23,200 108,300
    H17(2005) 23,200 80,800 21,200 125,200 84,900 0 40,300 125,200
    H18(2006) 40,300 68,500 23,400 132,200 87,600 0 44,600 132,200
    H19(2007) 44,600 54,800 27,900 127,300 84,100 0 43,200 127,300
    H20(2008) 43,200 58,400 27,500 129,100 84,500 0 44,600 129,100
    H21(2009) 44,600 62,300 22,400 129,300 85,500 0 43,800 129,300
    H22(2010) 43,800 49,500 19,100 112,400 80,500 0 31,900 112,400
    H23(2011) 31,900 55,800 23,100 110,800 82,000 0 28,800 110,800
    H24(2012) 28,800 57,200 25,600 111,600 80,800 0 30,800 111,600

    (出所)雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会

  2. 生産

    小豆は日本全国で生産されているが、北海道が約80%のシェアを有している。
    小豆の作付面積は減少傾向にあり、現在では全国で約3万700ha、北海道で約2万4400haとなっている。
    小豆の生産量(収穫量)は、単収の変動が大きいこともあってブレも大きく、H15豆年度(2003年度)からH24豆年度(2012年度)では、全国で約5万2800トンから9万500トン、北海道で約4万6500トンから8万2300トンとなっている。北海道の振興局別では十勝地区が最も小豆の生産量が多く、北海道全体の半分強のシェアを有している。

    表4 小豆の作付面積・単収・収穫量

      作付面積(ha)、単収(kg/10a) 収穫量(トン)
    全国 単収 北海道 単収 全国 北海道
    北海道全体 (十勝) (上川)
    H15(2003) 42,000 140 30,600 164 58,800 50,100 17,300 10,700
    H16(2004) 42,600 212 31,900 258 90,500 82,300 40,500 11,200
    H17(2005) 38,300 206 28,200 247 78,900 69,600 33,000 9,380
    H18(2006) 32,200 198 22,800 246 63,900 56,000 29,600 6,530
    H19(2007) 32,700 201 23,800 244 65,600 58,100 32,104 6,799
    H20(2008) 32,100 216 23,400 262 69,300 61,300 33,675 6,917
    H21(2009) 31,700 167 23,500 198 52,800 46,500 27,331 4,744
    H22(2010) 30,700 179 23,200 210 54,900 48,700 28,600 4,590
    H23(2011) 30,600 196 23,800 227 60,000 54,000 33,200 3,730
    H24(2012) 30,700 222 24,400 258 68,200 63,000 41,256 4,441
    H25(2013)     26,200          

    (出所)特定作物統計調査、農林水産省、麦類・豆類・雑穀便覧、北海道庁農政部生産振興局農産振興課、雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会

  3. 輸入

    1. 輸入制度

      小豆の輸入は「関税割当制度」の下で行われている。関税割当制度とは、昭和36年度の貿易自由化に際し、国内産業に対する急激な衝撃を緩和して、自由化を円滑に推進するための激変緩和措置として導入された制度であり、一定の輸入数量の枠内に限り無税又は低税率(一時税率)を適用して国内の需要者に安価な輸入品の供給を確保する一方、この枠を超える輸入分については高関税(二次税率)を適用することによって国内生産者の保護を図る仕組みである。従って、低税率である一次税率の適用を受ける数量は、原則として、国内需要見込数量から国内生産見込数量を控除した数量を基準として、国際市況その他を勘案して国が定めることとなっている。
      小豆についての関税割当数量は、年2回、上期分(4月~9月)と下期分(10月~3月)がそれぞれ4月の第一営業日と10月の第一営業日に発表されている。

      表5 小豆の期別関税割当数量

      年度・期 一般枠 年度・期 一般枠 一般枠合計
      H14下期 25,000 H15上期 5,800 30,800
      H15下期 16,500 H16上期 18,700 35,200
      H16下期 14,700 H17上期 6,400 21,100
      H17下期 11,000 H18上期 12,300 23,300
      H18下期 12,900 H19上期 15,000 27,900
      H19下期 13,400 H20上期 14,100 27,500
      H20下期 11,400 H21上期 11,200 22,600
      H21下期 10,200 H22上期 9,800 20,000
      H22下期 10,800 H23上期 12,300 23,100
      H23下期 13,200 H24上期 12,400 25,600
      H24下期 14,400    

      (出所)雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会

    2. 小豆の輸入量及び輸入先

      小豆は、関税割当制度との関係もあり、基本的に国内生産量で不足する分が輸入されている。輸入先としては中国が最も多いが、近年ではカナダからの輸入が増加している。カナダ産小豆は、もともと日本から種子が持ち込まれ、五大湖周辺のオンタリオ州で契約栽培されている。輸入量は、現在約2万5000トンであり、ここ数年は3万トン以下で推移している。このように小豆の輸入量が減少している要因としては、消費そのものの減少のほか、「加糖餡」や「冷凍豆」など主に中国から製品輸入される競合品の存在が挙げられる。なお、「加糖餡」はデフレを背景に安い製品が求められたこと等の理由で輸入量は増加傾向にあったが、2008年に発生した冷凍餃子事件による消費者の不安が高まったことなどを背景に大きく減少している。

      図2 小豆の輸入量推移

      (出所)貿易統計、財務省

      表6 加糖餡、冷凍豆輸入量

      豆年度 H16
      (2004)
      H17
      (2005)
      H18
      (2006)
      H19
      (2007)
      H20
      (2008)
      H21
      (2009)
      H22
      (2010)
      H23
      (2011)
      H24
      (2012)
      加糖餡輸入量(1) 83,937 88,667 93,048 92,350 81,507 67,551 72,374 76,867 74,285
      冷凍豆輸入量(2) 13,133 11,642 9,056 9,405 8,243 7,833 7,654 6,376 6,711
      乾豆換算
      (1)÷3+(2)÷2
      34,546 35,377 35,544 35,486 31,291 26,434 27,952 28,810 28,118

      (出所)貿易統計 財務省(HSコード:加糖餡(2005.51-190)、冷凍豆(2004.90-212))

    3. 中国の小豆生産量・輸出量

      中国は世界最大の小豆生産国・輸出国である。ここ数年の作付面積は約15万ha、生産量は約25万トン、平均単収は170キロ/10a、輸出量は約5万トンである。過去10年間の推移で見ると、いずれも減少傾向にあり、ピーク時の2002年と比較すると、作付面積は約50%、生産量は約35%、輸出量は約40%減少している。小豆の国内市況が低迷し、収益面で他の農産物に劣ったことが農家の小豆作付意欲を減退させたことが理由といわれている。
      中国では、日本と同様に国内各地で小豆が生産されるが、主要産地は東北、華北、西北で、作付面積及び生産量が多いのは黒龍江省、吉林省、江蘇省、内蒙古などである。

      図3 中国産小豆の作付面積、生産量、輸出量

      (出所)中国雑豆研究報告、東京大学社会科学研究所
           (http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/research/issccs/post-18.html

      表7 中国省別小豆生産量

        2000年 2005年 2010年
      地域 生産量 シェア 地域 生産量 シェア 地域 生産量 シェア
      1 黒龍江省 11.9万t 34% 黒龍江省 11.7万t 33% 黒龍江省 6.2万t 25%
      2 吉林省 3.5万t 10% 吉林省 6.0万t 17% 吉林省 2.4万t 10%
      3 江蘇省 3.2万t 9% 内蒙古 4.3万t 12% 江蘇省 2.3万t 9%
      4 雲南省 2.5万t 7% 遼寧省 2.3万t 7% 内蒙古 2.2万t 9%
      5 河北省 1.8万t 5% 江蘇省 2.1万t 6% 雲南省 1.5万t 6%
        全国 34.5万t 100% 全国 35.3万t 100% 全国 25.0万t 100%

      (出所)中国雑豆研究報告、東京大学社会科学研究所
           (http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/kyoten/research/issccs/post-18.html

  4. 流通・消費

    1. 小豆の流通

      国産小豆は産地で収穫後、農協や産地問屋が買い付け、豆の選別・調整を経て農産物検査法に基づく検査を受検する。その後、東京など消費地の消費地問屋に販売され、トラックやコンテナで出荷されて消費地の倉庫に保管される。消費地問屋は製餡業者等の実需家に販売し、その製品が消費者の元に届けられる。
      輸入小豆も、横浜港や神戸港で水揚げされ、通関後に輸入業者から消費地問屋に販売される。なお、小豆加工メーカーの場合は輸入会社から直接仕入れることも多い。また、輸入業者から問屋や加工メーカーに販売される際には必要に応じ豆の選別・調製が行われる。(参考:豆類協会ホームページ)

    2. 消費

      小豆の消費量は減少傾向にあり、近年では約8万トンと、ピークであった平成4豆年度の12万トンと比較すると3分の2の規模になっている。もっとも、製品輸入される「加糖餡」や「冷凍豆」を乾豆換算(加糖餡は3分の1、冷凍豆は2分の1)した数量を加えると約11万トン程度を維持していると考えられる。
      小豆の用途別消費は、「製餡用」が約68.9%、「甘納豆等菓子類用」が約12.8%、「煮豆用」が約2.4%、「その他」が15.9%と推定されているが、需要の大宗を占める「製餡用」需要は製品輸入される「加糖餡」と競合している。

第3節    小豆の価格変動要因

  1. 天候要因

    小豆は生産の大部分が北海道で行われているため、北海道の天気に注意する必要がある。北海道の気候については、気象庁札幌管区気象台が、以下のような予報を出しており参考にすることができる。
    (参考:http://www.jma-net.go.jp/sapporo/

    暖候期予報 毎年2月25日
    3ヶ月予報 毎月25日頃14時
    1ヶ月予報 毎週金曜日 14時30分
    週間天気予報 毎日11時と17時の2回

    小豆の生育期間は5月下旬から9月下旬までの約4ヶ月であるが、この間が「小豆の天候相場期」といえる。
    この期間で注意すべきは「気温」と「降霜」である。夏場、特に7月の低温と日照不足は単収の低下につながる。降霜については、出芽期の晩霜と成熟期の早霜に注意が必要である。出芽期の晩霜は生長点を凍死させ、秋の成熟期の早霜は小豆の成熟を止めてしまう。下表は十勝における小豆の生育過程と降霜時期を示しているが、冷害による凶作年であった2003年は、出芽期と晩霜が重なったこともあり、開花始や成熟期が遅くなっている。

    表8 十勝における小豆の生育過程と降霜

    ()は10年平均 H14
    2002
    H15
    2003
    H16
    2004
    H17
    2005
    H18
    2006
    H19
    2007
    H20
    2008
    H21
    2009
    H22
    2010
    H23
    2011
    H24
    2012
    播種期 (5/24) 5/24 5/23 5/25 5/24 5/23 5/24 5/28 5/22 5/21 5/24 5/23
    出芽期 (6/8) 6/6 6/7 6/6 6/9 6/13 6/11 6/12 6/10 6/12 6/8 6/6
    開花始 (7/25) 7/26 8/1 7/20 7/25 7/27 7/26 7/27 7/28 7/19 7/20 7/24
    成熟期 (9/23) 9/29 10/6 9/12 9/15 9/22 9/20 9/23 9/27 8/31 9/13 9/13
    降霜 晩霜 5/3 6/7 5/2 5/13 5/25 5/28 5/12 5/16 5/18 6/1 5/13
    初霜 10/11 10/4 10/15 10/6 10/14 10/14 10/13 10/10 10/18 10/2 10/9

    (出所)北海道立十勝農業試験場作況調査成績、気象庁帯広測候所
    雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会

  2. 需給要因

    1. 国内生産量

      小豆の国内生産量は作付面積と単収によって決まる。小豆の作付面積については、8月末に北海道の作付面積、9月末に全国の作付面積が農林水産省の「特定作物統計調査」において発表される。
      (参考:http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tokutei_sakumotu/

      小豆の単収を判断する材料としては天候及び作況(生育状況)があるが、作況(生育状況)については、北海道農政部が「農作物の生育状況」として、5月15日から10月15日までの間、月2回、1日と15日の状況をそれぞれ3営業日後に発表している。
      (参考:http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/gjf/seiiku/index.html

      なお収穫量について、以前は9月に予想収穫面積が発表されていたが、現在では、収穫年の翌年2月に農林水産省の「特定作物統計調査」において発表される。

      図4 小豆の生育状況

      (出所)北海道庁農政部

    2. 輸入量

      小豆は関税割当品目であり、低い一次税率の適用を受ける数量(関税割当数量)は、農林水産省の「関税割当公表(数量公表)」により、上期分が4月1日、下期分が10月1日にとして発表され、その後「関税割当てを受けた者」については、上記分は6月、下期分は12月に発表される。
      (参考:http://www.maff.go.jp/j/kokusai/boueki/triff/index.html
      なお、実際に輸入された小豆の数量および価額は、「財務省貿易統計」で確認することができる。
      (参考:http://www.customs.go.jp/toukei/srch/index.htm

    3. 競合品の輸入量

      小豆の消費の70%弱を占める製餡需要は、中国等から輸入される「加糖餡」等と競合する。小豆製品の消費量が一定の場合、価格的に安い加糖餡の輸入量が増加すれば小豆の消費量は減少することとなる。加糖餡の輸入量は「財務省貿易統計」で確認することができる。

    4. 在庫

      国内産小豆の収穫後は、在庫量の変動によって価格が変動する「需給相場」に入る。在庫量は、東京商品取引所や大阪堂島商品取引所が毎月1回第5営業日に公表している「小豆指定倉庫在庫」が一つの判断材料になる。これにより、国内産小豆と中国産小豆それぞれについて、取引所の受渡場所になっている指定倉庫の在庫の動き(前月末在庫、入庫、出庫、当月末在庫)を知ることができる。
      (参考:http://www.tocom.or.jp/jp/souba/kurani/azuki_redbean.html
      (参考:http://ode.or.jp/yoko/zaiko.html

      図5 小豆指定倉庫在庫

      (出所)東京商品取引所HP

  3. その他の要因

    東京商品取引所では、標準品である国内産(北海道産)小豆以外にも、受渡供用品である中国産小豆を6000円/30kg値引きする条件で受渡しが可能である旨を格付表で定めている。したがって、小豆先物価格が仮に12300円/30kgとすると、売方が中国産小豆を受渡しに供する場合には6000円引きの6300円/30kgで渡すことになる。国内産小豆が不作見通しなどにより仮に15000円/30kgに値上がりしたとすると、中国産小豆も6000円引きの9000円/kgで渡せることになるが、輸入採算との関係で、中国産小豆の価格が9000円/kg以下であった場合には、先物市場で中国産小豆を渡ししたほうが有利であるとして中国産小豆の受渡しが多く行われる。その結果、小豆先物価格も割安な中国産小豆に引っ張られて、「中国産小豆の輸入価格+格付表で定める格差(6000円)」に鞘寄せすることになる。逆に、国内産小豆が値下がりして10000円/30kgになった場合、6000円の格差を減じると中国産小豆を受渡しする際の価格は4000円/30kgになるが、この価格では輸入採算との関係で割が合わないと、中国産小豆が受渡しに供されることはなく、先物価格は国内産小豆の価格を基準に価格形成が行われることになる。

    このように、小豆先物価格は、需給要因に加え、国内産小豆価格と中国産小豆の輸入価格、それに格付表で定めた格差が勘案されて価格形成が行われるという特徴がある。

    図6 小豆現物価格と先物価格

    (出所)雑豆に関する資料、(財)日本豆類基金協会


TOP