代表執行役社長メッセージ

2017年の我が国の経済はバランスのよい成長を続け、景気も所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、緩やかに拡大しています。商品市場におきましては、北朝鮮や中東における地政学的リスクが高まりましたが、米国の追加利上げ観測などからドル高となるなど、当社の主力商品である金や白金のボラティリティは歴史的に低い状況が続きました。

こうした状況の下、当社は市場の利便性向上及び市場活性化に向けた諸施策に積極的に取り組んでまいりました。昨年3月には、ゴールドスポットと同様、決済期限のないプラチナスポットの取引を開始しました。プラチナスポットは、個人投資家を中心に活発に取引され、短期間で主力商品に成長しています。

また、市場の裾野拡大を図るため、新規市場参加者の獲得や商品先物取引業者への営業支援に注力し、国内外から多様な市場参加者の参入を促進しました。海外では中国マーケティングを強化し、MOU締結や中国の商品先物取引業者による遠隔地取引参加資格取得等が成果として現れています。

さらに、商品先物取引の情報発信基地TOCOMスクエアを活用し、個人投資家に対する普及・啓発に係る取組みを、商品先物取引業者及び関係団体と連携を図りながら展開しました。そうしたなか、公設取引所主催のものとしては日本初の試みとして、TOCOMリアルトレードコンテストを開催し、個人投資家が高いパフォーマンスをあげることが実証されるなど、各方面から注目されました。

2018年は当社市場のより一層の活性化を図るべく、国内外のマーケティング活動及び普及・啓発活動を強化するとともに、産業インフラとしての役割をますます強固なものとするため、以下の施策を中心に取り組んでまいります。

先ず、9月を目途に電力先物取引を上場します。当社は政府が掲げる「未来投資戦略2017」を踏まえ、電力、LNG(液化天然ガス)及び石炭等のエネルギー先物取引をワンストップで行うことができる総合エネルギー先物市場の創設に向けて準備を進めてきましたが、電力先物上場により、電気事業者のヘッジニーズに応えます。LNG及び石炭等のエネルギー商品についても上場に向けた調査を継続し、総合エネルギー先物市場の整備に取り組んでまいります。

また、天然ゴムの需給環境の変化を踏まえ、既存のRSS(薫煙シート)に加えてTSR(技術的格付けゴム)を上場します。これにより、日本のみならず世界最大の消費国である中国、生産国であるタイやインドネシアの事業者等にとっても利便性の高い市場環境を整備し、これまで築き上げた天然ゴム価格の国際的ベンチマークを提供する市場としてより一層の地位の向上を図ります。

2018年1月
株式会社東京商品取引所
代表執行役社長 濵田隆道

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