代表執行役社長メッセージ


 

昨年の我が国の経済は、景気回復の長さが高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超え、なお緩やかな拡大を続けています。商品市場では、米国の度重なる利上げによるドル高とドル金利の上昇、世界的な同時株安、米中貿易摩擦に伴う経済の減速懸念、産油国における地政学的な不透明感の高まりなどを受け、当社の主力商品である金、原油のボラティリティは一昨年の歴史的に低い状況から一転して高まっています。

こうした状況の下、当社は市場の裾野拡大、利便性向上及び市場活性化に向けた諸施策を積極的に推進してまいりました。

個人投資家の参入促進では、TOCOMスクエアを起点とするリアル、バーチャルの両面からの情報発信を展開しています。また日本の公設取引所としては初の試みであるTOCOMリアルトレードコンテストは、内容の充実と商品先物取引業者の協力のもと、投資家の関心を着実に高め、回を重ねるごとに参加者を増すと同時に、中国人投資家の参加も実現しています。

海外マーケティング活動では、取引高シェアの多くを占める主要なプロップハウス、高い将来性が見込まれる中国市場への働きかけの強化等が奏功し、海外から当社市場への取引の流入は、全取引高の過半を占めるに至っています。

総合コモディティ市場の整備でも新たな一歩を踏み出しました。天然ゴム市場の構造変化を踏まえ、10月にTSR(技術的格付けゴム)上場を実現し、世界最大の消費国である中国、生産国であるタイやインドネシアの事業者にとって利便性の高い市場環境を整えたことは、海外マーケティング活動と相まって、市場利用者に高い関心を持って迎えられています。

本年は当社市場の一層の活性化を図るべく、国内外のマーケティング活動及び当社市場の普及啓発活動の継続とともに、以下の施策に取り組んでまいります。

第一は、電力先物の上場です。これは政府の強い要請に基づくものであり、電力先物取引は我が国にとって不可欠な産業インフラであることに鑑み、引続き最優先課題として取り組んでまいります。

第二に、総合取引所の検討です。総合取引所は市場参加者の利便性及び信頼性の向上に資するか、その結果として商品先物市場の活性化、商品先物業界の発展につながるかどうかを念頭に、それらが実現されると判断すれば前向きに対応していきたいと考えています。

第三は、AI(人工知能)を活用した商品先物取引版ロボアドバイザーサービス(ロボアドバイザー)の普及啓発です。商品先物取引業者が導入を予定するロボアドバイザーは、商品先物取引の投資未経験者や初心者の市場参加につながり、商品先物市場の活性化に寄与することが期待されます。当社はロボアドバイザーを用いた商品先物取引業者の営業活動を支援することで取引の増加につなげたいと考えています。

今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

株式会社東京商品取引所
代表執行役社長 濵田隆道

 

 

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